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サイタマ国内ギターフェスティバル顛末記 その2

「キンちゃんシャンソンショー」という邪悪な企画が実現に向けて動き始めた頃、ひとりの若き製作家がわたしを訪ねてきた。

あの河野ギター製作所に勤め、あの河野賢氏を祖父に、桜井 正毅氏を叔父に持つ “ギター界のサラブレッド”君島聡である。

実は彼は、ギター製作家になると決めた大学生の時から、河野ギター製作所に入社するまでの間、これまた不幸なことにわたくし金庸太にギターを習っていたのである。
しかも、この師匠、何を勘違いしたのか彼のことを一年以上「キリシマくん」と呼び続けて、一向に気がつかない師匠に業を煮やし、泣く泣くメールを送り訂正を請うたという因縁付きである。

君島くんが背負った不幸な運命は入社以来平穏を保っていたのだが、神様は時にこのようないたずらを仕掛けるのである。
10数年ぶりに新作ギターを見せに来てしまったタイミングが偶然に今とは!

 

こうして“ギター界のサラブレッド”君島くんは、“井草のポニー”クリヤマくんと並んで、まんまとギターを出展されられることになってしまたったのである。

 

さて、展示ギターを舞台で試奏してくれるプロであるが、すでに今井ギターとクリヤマギターのオーナーでもあり、アポフェスで数々の邪悪な企画を量産してきたアルアイレンジャー大坪隊長しかいないだろう。

もはやギター界のダークサイドを代表するギタリスト、ダース・ベイダーみたいなものであろう(わたしは「スターウォーズ」という映画はまったく観たことがないのだが間違いないであろう)。

もちろん、二つ返事で引き受けてくれた。大坪隊長もこの春にCDを発売しながらイベントが打てずにいたのだが、これは過去のアポフェスでギター界に負の遺産を作ってきたことに対する神様のお仕置き、と解釈してよいだろう。

これで、新作ギター展示、ギター展示試奏会、フレッシュギタリストたちによるコンサートが無事に決定。

残すは、「キンちゃんシャンソンショー」をどうするかである。
わたしは所属事務所オフィス・ウマジン代表のキンツマに相談をした。
特別ゲストは案の定、同じ事務所所属のアーチストたちと、なんとキンツマ代表自身であった。

*写真下 左から エチュード戦士ペロワちゃんZ 、エチュード侍、キンツマ&私

・・・出演料を削っただけ、としか思えないキャスティング。
しかも、それまでのせっかくのギター展示やコンサートをすべて台無しにすること間違いなしの負のパワー・オールスターズである。

はたしてサイタマ国内ギターフェスティバルはどうなってしまうのか??・・・(続く