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早稲田巡り

「ガンバッテ~!」
初めて会ったそのイタリア人のシニョーレは山盛りのリガトーニの皿をわたしの目の前に置いてそう言うとニヤリと笑った・・・。

 

実はキンツマと高田馬場に来ているのだが、時間的にまずは腹ごしらえである。キンツマが目星をつけたイタリア食堂に来ているのだ。

 

しかしこのパスタ、さすが大盛りは+400円だけのことはある。

 

シニョーレの「ガンバッテ~!」は「食えるもんなら食ってみろ」であろう。


10分後に皿を取りに来たシニョーレはとっくに食べ終わり涼しい顔で本を読んでいた私を見て「サスガ―!」と感嘆の声をあげた。


初対面の名も知らぬ疲れた中年男の私のどこを評価して「サスガ―!」といったのかは不明だが、褒められて悪い気はしない。今日はなかなか調子が良いようだ。

 

 

 

 

腹ごしらえを終えた私たちは、先日観た映画「ボヘミアン・ラプソディ」のスピンオフらしき映画があると聞いて観ることにした。

たしかにフレディ・マーキュリーらしき髭の男が出ていて、主人公のトーニャという女性を殴るわ蹴るわ、悪行三昧の大活躍(?)であった。

 

「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」というこの映画、愚かな登場人物たちによる負の連鎖がやがてあのスキャンダルにつながっていく様子を実に見事に表現していて、「ボヘミアン・ラプソディ」に負けず劣らず大変素晴らしかった。

 

私も先ほどのシニョーレのように「サスガ―!」と叫びたかったが我慢した。

 

 

 

ノンフィクション映画が二本立てで、入れ替えなしでもう一本観れるというので、こちらの「モイーズ・ゲーム」も観てきたが、なかなか重い映画であった。

大盛りリガトーニよりもお腹いっぱいになったが、悪くなかった。

 

ケビン・コスナー、久々に見たなぁ。

 

 



さて、本日のメインの目的はこちら。

 

早稲田にある喫茶 タビビトの木での「コーヒーについて話そう」イベント参加である。

 

コーヒーについていろいろ学べる機会だそうで楽しみにしていた。

 

進行はセカンドストーリーコーヒーロースターの水谷さん。

 

まずはなんとブラインドテストから!

用意されたのは4種類

 

・スペシャルティコーヒー

・缶コーヒー

・某チェーン店コーヒー

・レギュラーソリュブルコーヒー(まぁほぼインスタントコーヒーですな)

 

結果発表はかなり緊張したが、今日は調子の良いわたしは全問正解!

 

缶コーヒーとスペシャルティコーヒーはすぐにわかったが、普段はほぼ飲まない某チェーン店コーヒーとまったく飲んだことのないレギュラーソリュブルの判断に迷った。
そこで「チェーン店では無難な味を選ぶであろう」と中途半端に酸味を感じたほうをレギュラーソリュブルと判断して正解を導いた。「サスガ―!」だなオレ。

 

写真の向こう側に写っているのは、我々夫婦とたまたま隣り合わせになった、ひとりで来ていたなんだか冴えない男性。

なんでもギターを作っているとか。


自己紹介の時に「タバコは吸わないけど、喫茶店でタバコの煙とコーヒーの香りが混じりあっているのが好きだ」とわけのわからないことを熱心に語っていたが、意外と賛同者がいてとても喜んでいた。

 

この冴えない男性も全問正解、可哀想だから心のなかで「サスガ―!」と言ってあげた。

 

今回の参加者、多くが大学生か、卒業したばかりぐらいの若い人たちであった。

大学のコーヒーサークルのメンバーもいて、いろいろな情報を教えてもらった。

 

コーヒーを飲みすぎると胃が痛くなるというキンツマに皆さんでカフェインを抜いたデカフェにまつわる話をいろいろしてくれた。

 

カフェインを抜く方法はいろいろあるが、スイスに送ってそこで豆を洗浄するのが主流だとか。

「さすがスイス、マネーロンダリングだけじゃなくて豆ーロンダリングも出来るんですね!」

という、ふと思いついてしまったダジャレを言いたい衝動をグ―――っとこらえた。

 

そのことを帰りに寄ったラーメン屋でキンツマに白状したら「それはこらえて正解やったな」と褒められた。

 

 

今日のわたしは最後まで調子が良かったようである。